筋トレの回数について
筋トレを行う上で迷うことが多いのが「回数」です。特に筋トレ初心者は、どの程度の回数で行えば効果的なのか、また負荷はどの程度かければよいのか疑問に思うことは少なくないでしょう。
そこでここでは、最適な筋トレの回数を設定する方法について解説していきます。
最適な筋トレの回数とは?
適切な筋トレの回数を決める基準に、「フォームを維持できる回数」があります。
例えばスクワットの場合、一定のスピードで膝の曲げ伸ばしを行って大腿部に負荷をかけます。苦しくなると体重を利用して腰を落とすスピードを速くしてしまったり、体の軸をブレさせて立ち上がったりします。
これでは正しいフォームとは言えません。そのため、まずは正しいフォームを維持したままできる回数を基準にしたほうが良いでしょう。
これで自分の筋力が把握できます。次に、より詳しい回数設定をします。筋トレを始めたばかりの頃と筋トレに慣れてきた頃では、次のように適切な回数は異なります。
時期によって筋トレの回数は異なる
筋トレを始めた直後
運動経験がほとんどない人が筋トレを始めた場合、まずは脳から筋肉に運動をすることを伝達したり、筋肉が正しく収縮するための「神経系」を鍛えます。
神経系を鍛えるためにはある程度の回数が必要です。目安は1セット15~20回です。この時、限界まで行わないことが大切です。ケガを防ぐためです。
高回数で行うため、負荷は軽めに設定します。例えばプッシュアップ(腕立て伏せ)の場合、筋力が十分でない人は膝をついて行っても良いでしょう。2~3週間は、高回数・低負荷の筋トレを続けます。
筋トレに慣れてきたら
神経系が鍛えられてきたら、次は筋肉に刺激を与えるための回数を設定します。基準は最初に説明したように、「フォームを維持できる回数」です。
プッシュアップやスクワット、ダンベルカールなど各種目でフォームを維持しながらどの程度の回数できるのか確認してください。神経系を鍛える前に計測した回数よりも伸びているはずです。
これは筋力がアップしたと言うよりも、神経系が鍛えられたために伸びた要素のほうが強いです。そのため、ここからが本格的な筋トレと言えます。
筋トレでは次のように、目的によって回数を設定します。
目的によって筋トレの回数を設定する
筋肉量を増やしたい場合
「ボクサー体型を目指しているが今はガリガリ体型」…このような場合は、筋肉量を増やすための「高負荷・低回数トレーニング」が基本です。筋トレでは、負荷を高めに設定して回数は10~15回に設定します。
例えば、自分の体重だけで行う自重スクワットが通常のスピードで20回できる場合、負荷が低いと判断できます。その場合、負荷を上げるため器具を用いたりスピードを変えたりします。
自宅でトレーニングする場合はバーベルやダンベルがないことが多いため、スピードに変化をつけて負荷を高めることをおすすめします。筋トレで1回ごとのスピードを遅くする「スロートレーニング」です。
通常のスクワットでは直立の姿勢から腰を落とすのに1秒、元の位置に戻すのに1秒かけることが多いです。これを腰を落とすのに3秒、元の位置に戻すのに5秒かけると負荷が高くなります。
具体的な秒数は「キツい」と感じる数字に設定することが大切です。そして筋繊維の隅々まで刺激を与えるため、限界まで行います。この高負荷・低回数トレーニングを続けることで筋繊維をしっかり破壊することができ、後の超回復で筋肉量は大きくなります。
次に、元からぽっちゃり体型だったり筋肉をつける過程で脂肪も多くついたりした場合の筋トレ回数について説明します。
脂肪を減らすダイエット目的の場合
ボクサー体型を一言で言うと、ある程度の筋肉がつき脂肪が少ない状態です。そのため、筋肉がついていても腹筋が割れていないポッチャリ体型の人は、ダイエットを行う必要があります。
ダイエットは食事以外に、筋トレ回数を増やすことでも対応できます。神経系を鍛える際に行った低負荷・高回数トレーニングの延長と考えて良いでしょう。
ただし、もうひと工夫するとより脂肪燃焼に効果的です。その工夫が「サーキットトレーニング」です。
サーキットトレーニングとは、高い心拍数を維持したまま筋トレを連続で行うトレーニング方法です。例えば、プッシュアップ20秒→休憩15秒→スクワット20秒→休憩15秒→レスラープッシュアップ20秒→…などです。
回数ではなく時間を設定するやり方ですが、短時間で脂肪燃焼と筋力アップができる方法です。慣れてきたらセット数を増やしたり休憩時間を短くしたりすると、より効果的です。
まとめ
筋トレ回数は時期や目的によって異なります。はじめは神経系を鍛えるために、低負荷・高回数のトレーニングを行います。回数の目安は15~20回です。
次に筋肉量を増やすために、高負荷・低回数のトレーニングを行います。負荷をかけるため、器具を使ったりスロートレーニングを行います。限界まで行い、筋肉に十分な刺激を与えましょう。
そして脂肪を減らして割れた腹筋を作るためには、低負荷・高回数のトレーニングを行います。この時サーキットトレーニングを行うとより脂肪燃焼に効果的です。
サーキットトレーニングにシャドーボクシングを組み入れれば、気分的にもボクサーのような感覚になれるので、モチベーションアップになります。